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書籍詳細




ファシズムと聖なるもの/古代的なるもの
平藤喜久子編著

判型: A5 並製
頁数: 290
ISBN: 978-4-8329-6846-2
Cコード: C3014
発行日:2020-04-24
定価: 3,520円 (本体価格3,200円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

ファシズム運動の時代、「聖/古代」が人々を魅了し、人々によって称揚された。それは何故なのか。実態はどうだったのか。――日本と独伊仏ルーマニアを取り上げ、ファシズムを準備した文化・学問・芸術・建築、また戦後に受け継がれたものを視野に入れ、現代に埋め込まれた「ファシズム」を透視する。
●目次

はじめに………平藤喜久子


 第1部 日本の自己像・世界像

第1章 ファシズム期の神話学と“青年結社”………平藤喜久子
 一 はじめに─ファシズム期における青年という表象
 二 ファシズム期神話学と男性結社
 三 三品彰英の神話学と男性結社論
 四 おわりに

第2章 日本型ファシズムと学問の系譜──宇野圓空とその時代………鈴木正崇
 一 前提としてのファシズム
 二 宇野圓空の評価と位置づけ
 三 宇野圓空と同時代の学者たち
 四 「民族的宗教」としての修験道──宇野圓空をめぐって
 五 「民族」概念の生成と展開
 六 日本型ファシズムと修験道研究──和歌森太郎をめぐって
 七 日本精神主義と国民精神文化研究所
 八 修験道研究の確立とナショナリズム──堀一郎・五来重・宮家準

第3章 大川周明のスーフィズムへの傾倒………臼杵 陽
 一 大川周明の転換点としての「一九一三年夏」
 二 大川周明のキリスト教への関心
 三 論考「神秘的マホメット教」とマックス・ミュラーの講演録
 四 マックス・ミュラーのスーフィズム講義
 五 預言者ムハンマドとの「会見」と「始祖中心の宗教」
 六 大川周明に見る「神人合一」と「アジアの一如」
 七 おわりに──大川周明と井筒俊彦の接点とパレスチナの指導者


 第2部 他者による日本像

第4章 ナチス時代の日本学における「神道」と「禅」
    ──W・グンデルトとその周辺………………ベルンハルト・シャイト
 一 はじめに
 二 日本学者グンデルトの経歴
 三 国家社会主義者としてのグンデルト
 四 神道、禅、民族遺産についてのグンデルトの見解
 五 おわりに

第5章 日本ファシズムの起源の固有性について
    ──からごころ………………クラウス・アントーニ(齋藤公太訳)
 一 はじめに
 二 日本の中国観
 三 日本儒教とナショナリズム的思想の展開
 四 漢 意(からごころ)──「邪悪な中国的精神」と日本の固有主義
 五 国 体──近代日本のユートピア
 六 ドイツによる国体イデオロギーへの賞賛と日独のイデオロギー的方法の類似性
 七 結 論──アジアへの復帰という日本の困難な道

第6章 ファシズム時代のイタリア語訳『古事記』とその背景
    ──「日本の聖書」について………シルヴィオ・ヴィータ
 一 はじめに
 二 訳者マリオ・マレガと『古事記』との出会い
 三 マレガ版の『古事記』
 四 今後の課題


 第3部 ヨーロッパの表象

第7章 ナチス時代の「アッシリア神話」………月本昭男
 一 フォン・ゾーデン父子
 二 セム語学者フォン・ゾーデン
 三 『アッシリア帝国の勃興』(一九三七年)
 四 アッシリア帝国の勃興とアーリア民族
 五 アッシリア帝国の崩壊の理由
 六 イデオロギーとしての文化史

第8章 戦間期ルーマニアの知識人と歴史表象………新免光比呂
 一 はじめに
 二 ルーマニアの歴史と西欧
 三 宗教、民族、ファシズム
 四 ルーマニア知識人の歴史的課題と超克への試み
 五 むすび

第9章 表象しえぬ「古代」の表象
    ──ドイツ・プレファシズムおける視覚文化………深澤英隆
 一 はじめに
 二 視覚文化と宗教
 三 ドイツ国民主義と視覚文化
 四 ドイツ・プレファシズムと視覚文化
 五 ヘルマン・ヘンドリッヒとその作品
 六 視覚的敬虔とフェルキッシュ美学

第10章 ナチズム期の〈古代〉表象の形成
     ──H・ヴィルトの〈アトランティス母権制〉論をめぐって………………久保田 浩
 一 問題の所在─ブレーメンのベトヒャー通りから出発して
 二 ベトヒャー通りの『アトランティス・ハウス』
 三 親衛隊研究協会「祖先の遺産」とヘルマン・ヴィルト
 四 〈古代〉表象の想像力
 五 〈古代〉表象と近代批判─ナチズム期の「学問」理解との関連で

第11章 ファシズム期の比較神話学………松村一男
 一 はじめに
 二 ファシスト・イタリア
 三 ナチス・ドイツ
 四 ドイツ圏の研究
 五 フランスでの研究
 六 おわりに

おわりに………平藤喜久子


執筆者・訳者紹介


●著者紹介

平藤 喜久子(ヒラフジ キクコ)
1972年、山形県生れ
國學院大学教授
学習院大学大学院人文科学研究科博士課程修了 博士(日本語日本文学)
神話学、宗教学専攻

『神話学と日本の神々』(弘文堂、2004)
『神の文化史事典』(共編著、白水社、2013)
『いきもので読む、日本の神話』(東洋館出版、2019)
『幸せ運ぶ!ニッポン神社めぐり』(NHK出版、2019)


鈴木 正崇(スズキ マサタカ)
1949年、東京都生れ
慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了 文学博士
宗教人類学専攻

『神と仏の民俗』(吉川弘文館、2001)
『女人禁制』(吉川弘文館、2002)
『祭祀と空間のコスモロジー』(春秋社、2004)
『山岳信仰』(中央公論新社、2015)
『熊野と神楽』(平凡社、2018)


臼杵 陽(ウスキ アキラ)
1956年、大分県生れ
日本女子大学教授
東京大学大学院国際関係論博士課程修了 京都大学博士(地域研究)
中東現代史専攻

『大川周明:イスラームと天皇のはざまで』(青土社、2010)
『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書、2013)
『「中東」の世界史:西洋の衝撃から紛争・テロの時代まで』(作品社、2018)
『日本人にとってエルサレムとは何か:聖地巡礼の近現代史』(ミネルヴァ書房、2019)
『「ユダヤ」の世界史:一神教の誕生から民族国家の建設まで』(作品社、2019)


ベルンハルト・シャイト(Bernhard Scheid)
ウィーンのオーストリア科学アカデミーの上級研究員
ウィーン大学博士課程修了 博士(日本文学)
神道史専攻

Der Eine und Einzige Weg der Götter: Yoshida Kanetomo und die Erfindung des Shinto(唯一神道:吉田兼倶と神道の発明、ウイーン、2001)
The Culture of Secrecy in Japanese Religion(M. Teeuwenと共同編集、2003)
Kami Ways in Nationalist Territory: Shinto Studies in Prewar Japan and the West (K. W. Nakaiと共同編集、2013)


クラウス・アントーニ(Klaus Antoni)
1953年生れ
テュービンゲン大学教授
フライブルク大学博士課程修了 博士(日本文化学)
ミュンヘン大学大学教員資格(日本文化学)

“Der Weiße Hase von Inaba: Vom Mythos zum Märchen”(1982)
“Miwa — Der Heilige Trank. Zur Geschichte und religiösen Bedeutung des alkoholischen Getränkes (sake) in Japan”(1988)
Kojiki — Aufzeichnung alter Begebenheiten — Übersetzung und Kommentar(2012)
“Kokutai — Political Shintô from Early-Modern to Contemporary Japan”(2016)


齋藤 公太(サイトウ コウタ)
1986年、東京都生れ
神戸大学大学院講師
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了 博士(文学)
日本思想史・宗教史専攻

『「神国」の正統論:『神皇正統記』受容の近世・近代』(ぺりかん社、2019)


シルヴィオ・ヴィータ(Silvio Vita)
1954年、ローマ生れ
京都外国語大学教授
イタリア東方学研究所研究企画代表イタリア国立ナポリ東洋大学、アメリカ合衆国プリンストン大学で学位取得後、京都大学で研修
文学博士文化史学、日欧交渉史専攻

Buddhist Asia 1(Kyoto: Italian School of East Asian Studies, 2003)
Buddhist Asia 2(Kyoto: Italian School of East Asian Studies, 2010)
「豊後キリシタンの跡をたどるマリオ・マレガ神父:マレガ文書群の成立過程とその背景」『国文学研究資料館紀要 アーカイブス研究篇』第12号(2016)
「マリオ・マレガの執筆活動とその「文脈」」『国文学研究資料館紀要 アーカイブズ研究篇』第14号(2018)


月本 昭男(ツキモト アキオ)
1948年、長野県生れ
上智大学神学部特任教授、古代オリエント博物館館長兼務
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、ドイツ・テュービンゲン大学文化学部修了(Dr. Phil.)
宗教史学、古代オリエント学、旧約聖書学専攻

『詩篇の思想と信仰(機銑此法戞平袈欺佝納辧2003-20)
『古代メソポタミアの神話と儀礼』(岩波書店、2010)
『宗教の誕生』宗教の世界史第一巻(編著書、山川出版社、2018)
『物語としての旧約聖書(上・下)』(NHK出版、2018)


新免 光比呂(シンメン ミツヒロ)
1959年生れ
国立民族学博物館准教授
東京大学博士課程修了 筑波大学博士(文学)
宗教学専攻

『比較宗教への途1 人間の文化と宗教』(保坂俊司、頼住光子、佐藤貢悦との共著、北樹出版、1994)
「農村の宗教対立を通してみた転換期のルーマニア社会」『博物館研究報告』22巻1号(1997)
『比較宗教への途2 人間の社会と宗教』(保坂俊司、頼住光子との共著、北樹出版、1998)
「社会主義国家ルーマニアにおける民族と宗教:民族表象の操作と民衆」『国立博物館研究報告』24巻1号(1999)
『祈りと祝祭の国:ルーマニアの宗教文化』(淡交社、2000)


深澤 英隆(フカサワ ヒデタカ)
1956年、東京生れ
一橋大学名誉教授
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学
宗教学専攻

『近代日本における知識人と宗教:姉崎正治の軌跡』(共編著、東京堂書店、2003)
『啓蒙と霊性』(岩波書店、2006)
『スピリチュアリティの宗教史 上下』(共編著、リトン、2012)


久保田 浩(クボタ ヒロシ)
1965年、島根県生れ
明治学院大学教授
Eberhard-Karls-Universität Tübingen, Seminar für Indologie und Vergleichende Religionswissenschaft 博士課程修了、Dr. phil.(Religionswissenschaft)
宗教学(近現代ドイツ宗教史)専攻

Religion and National Identity in the Japanese Context(共編著 Lit, 2003)
Religionswissenschaftliche Religiosität und Religionsgründung(Peter Lang, 2005)
The Study of Religion under the Impact of Fascism(共著 Brill, 2007)
『「呪術」の呪縛』上下巻(共編著、リトン、2015、2017)
Religion, Politik und Ideologie. Beiträge zu einer kritischen Kulturwissenschaft(共著 iudicium, 2018)


松村 一男(マツムラ カズオ)
1953年、千葉県生れ
和光大学教授
東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学
神話学、宗教史学専攻

『女神の神話学』(平凡社、1999)
『神話思考機ー然と人間』(言叢社、2010)
『神話思考供|楼茲販鮖法戞文請兌辧2014)
『神話学入門』(講談社学術文庫、2019)
『はじめてのギリシア神話』(ちくまプリマー新書、2019)




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