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書籍詳細



北大文学研究院ライブラリ 17
かなしむ人間 ― 人文学で問う生き方
鈴木幸人 編著

判型: 四六 並製
頁数: 296
ISBN: 978-4-8329-3404-7
Cコード: C1095
発行日:2019-08-30
定価: 2,860円 (本体価格2,600円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

「かなしみ」(悲、哀、愛、愁、歎、そして涙)は、古今東西、人間と社会に否応なく是非なく存在してきました。だからこそ、かなしみと共にあることが、じつは人間の根源なのかもしれない…。人文学の視点と方法論によって、かなしみの諸相を問い、探ります。
●版元から

■シリーズ名変更のおしらせ
文学研究院ライブラリは当初文学研究科ライブラリとして刊行されていましたが、2019年4月より北海道大学大学院文学研究科が北海道大学大学院文学研究院に改組されたため、本シリーズも「北大文学研究院ライブラリ」と改称して刊行を続けることになりました。

●目次

はしがき

第一章 仏教における「悲」
    ──凡夫の「悲(かなしみ)」とブッダの「悲(あわれみ)」………林寺正俊
 はじめに
 一 愛別離苦の悲しみ
 二 わが子を亡くしたキサー・ゴータミーの悲しみ
 三 釈尊入滅時の人々の悲しみ
 四 悲しみを経験しない聖者の理想
 五 人々に対する釈尊の「悲(あわれみ)」
 六 仏教における「悲」とその実践
 七 「悲」と「大悲」
 おわりに

第二章 母と子の悲しみ
    ──聖母マリアとイエス・キリストの図像学………谷古宇 尚
 一 神の母マリアと人の子イエス
 二 「聖母子像」の起源
 三 イコン(聖像画)の表情
 四 聖母の悲しみ
 おわりに──母マリアの喜び

第三章 かなしむ身体
    ──ジャン=リュック・ゴダール『女と男のいる舗道』………阿部嘉昭
 一 ゴダールが成し遂げたもの
 二 顔が見えないということ
 三 売春婦は都市を迷宮化する
 四 吹き替えと売春の映画的関係

第四章 紙の原料生産地で何が起きているのか
    ──環境ガバナンスをめぐる「隠れた物語」を掘り起こす………笹岡正俊
 はじめに
 一 インドネシアの産業造林が引き起こしてきた問題
 二 紙原料・紙製品の「責任ある」生産・消費にむけたガバナンスの形成
 三 複雑化するガバナンスとその帰結
 四 土地紛争を生きる人びと
 おわりに──「隠れた物語」の掘り起こし

第五章 溥儀の悲憤──「宣統十六年」の紫禁城………吉開将人
 はじめに
 一 研究上の諸問題
 二 溥儀の悲憤
 三 「優待条件」をめぐる諸問題
 四 優待条件体制終焉に至る道
 五 問題の発見──修正優待条件・善後条例による清室財産の整理構想とその失敗
 六 問題の検討──金梁による上奏の再検討
 おわりに

第六章 珠光の嘆き
    ──「心の一紙」を読み解き、「和漢の境をまぎらかす」を考え直す………橋本 雄
 一 本章のもくろみ
 二 〈和漢論〉の構図
 三 茶道史の〈語り〉を相対化する
 四 古市澄胤とその周辺
 五 珠光は和物を好んだか?
 六 「和漢のさかいをまぎらかす」再考
 七 「心の師とハなれ、心を師とせざれ」
 八 維摩信仰と珠光の教えと

第七章 愁歎の人形浄瑠璃………冨田康之
 はじめに
 一 義太夫節の愁歎について
 二 愁歎の表現
 三 死に行く者の嘆き(心中直前の述懐)
 四 残された者の嘆き
 おわりに

第八章「晋の予譲が例を引き」(しんのよじょうがためしをひき)
    ──予譲の説話と絵馬をめぐって………鈴木幸人
 はじめに
 一 「予譲」を引く浄瑠璃・歌舞伎
 二 予譲の説話──「士は己を知る者の為に死す」
 三 予譲を描いた絵画──「予譲刺衣図」絵馬
 四 予譲説話の展開──落語・小説での変容
 五 まとめに代えて──晋の予譲の例からの絵画論へ向けて


あとがき
執筆者紹介


●著者紹介

鈴木 幸人(スズキ ユキト)
1966年生、京都大学大学院修士課程美学美術史学専攻修了。
現在、北海道大学大学院文学研究院准教授(博物館学研究室)。
著書に『太宰府系天神縁起絵の世界』(共著、財団法人太宰府顕彰会、2012年)、論文に「金沢・崇禅寺の天神縁起絵について──「版本」「扁額」の天神縁起絵」(『北海道芸術学会紀要芸術論評』9号、2017年)。

林寺 正俊(ハヤシデラ ショウシュン)
1971年生、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院准教授(宗教学インド哲学研究室)。
著書に『中部経典掘文胸亙典第六巻)』(共訳、春秋社、2005年)、論文に「『三法度論』における教理の展開」(『日本仏教学会年報』第79号、2014年)、「日本古写経本『三法度論』の成立──「三法度経本」の編集とその動機」(『東アジア仏教研究』第13号、2015年)。

谷古宇 尚(ヤコウ ヒサシ)
1965年生、東北大学大学院文学研究科博士課程満期退学。
現在、北海道大学大学院文学研究院教授(芸術学研究室)。
著書に“The Last Judgment in the Cathedral of Fidenza and the Eschatological Images in the Franciscan Context,” in B. Mulvaney, B. R. Franco (eds.), The World of St. Francis of Assisi, Siena, 2017(分担執筆)、論文に“The Formation of Landscapes in the Sakhalin and Kuril Islands,” Actual Problems of Theory and History of Art, 8, 2018; “La rappresentazione del mare nell'arte francescana,” Hortus Artium Medievalium, 22, 2016.

阿部 嘉昭(アベ カショウ)
1958年生、慶應義塾大学法学部法律学科卒。博士(文学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院教授(映像・現代文化論研究室)。
著書に『黒沢清、映画のアレゴリー』(幻戯書房、2019年)、『平成ボーダー文化論』(水声社、2015年)、『換喩詩学』(思潮社、2014年)。

笹岡 正俊(ササオカ マサトシ)
1971年生、東京大学大学院農学生命科学研究科単位取得退学。博士(農学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院准教授(地域科学研究室)。
著書に『資源保全の環境人類学──インドネシア山村の野生動物利用・管理の民族誌』(コモンズ、2012年)、『東南アジア地域研究入門』(井上真編、分担執筆、慶應義塾大学出版会、2017年)、『森林と文化──森とともに生きる民俗知のゆくえ』(蛯原一平・斉藤暖生・生方史数編、分担執筆、共立出版、2019年)。

吉開 将人(ヨシカイ マサト)
1967年生、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院教授(東洋史学研究室)。
著書に『中国の歴史──東アジアの周縁から考える』(濱下武志・平勢隆郎編、分担執筆、有斐閣、2015年)、『旅と交流──旅からみる世界と歴史』(細田典明編、分担執筆、北海道大学出版会、2015年)、『北方を旅する──人文学でめぐる九日間』(北村清彦編、分担執筆、北海道大学出版会、2010年)。

橋本 雄(ハシモト ユウ)
1972年生、東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(文学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院准教授(日本史学研究室)。
著書に『中華幻想──唐物と外交の室町時代史』(勉誠出版、2011年)、『NHKさかのぼり日本史 外交篇 7 室町狷本国王瓩抜合貿易』(NHK出版、2013年)、(編著書)村井章介・橋本雄ほか編『日明関係史研究入門──アジアのなかの遣明船』(勉誠出版、2015年)。

冨田 康之(トミタ ヤスユキ)
1958年生、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。
現在、北海道大学大学院文学研究院教授(日本古典文化論研究室)。
著書に『海音と近松──その表現と趣向』(北海道大学出版会、2004年2月)、論文に「『鑓の権三重帷子』考──「悋気」と「よい男」のモチーフを辿って」(『北海道大学国語国文研究』第151号、2018年6月)、「『女殺油地獄』考──与兵衛はなぜ蚊に喰われたか」(『日本文学』64巻(10号)、2015年10月)。

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