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書籍詳細




領土という病 ― 国境ナショナリズムへの処方箋
岩下 明裕編著

判型: 四六 並製
頁数: 254
ISBN: 978-4-8329-6792-2
Cコード: C3031
発行日:2014-07
定価: 2,592円 (本体価格2,400円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

今日の日本で領土・国境がブームとなるとき、世を賑わす議論の多くは、一方的な思い込みや幻想を振りまいているにすぎない……。本書は、まるで「病」に罹患したような日本の言論状況を乗り越えるべく、北方領土、竹島、尖閣という領土問題を、国際政治の動向やローカルな国境地域の実情をつぶさに見据えつつ討議したシンポジウム、対談の記録。国際関係論、地域研究、政治地理学、政治思想、歴史学など、様々な知見から領土問題に取り組む研究者と、領土問題を追うジャーナリストが集い、熱い議論を繰り広げる。「ボーダースタディーズ(境界研究・国境学)」の学際的・実践的展開を伝える一冊。
●版元から

*『毎日新聞』2014年8月20日書評掲載
*『週刊 東洋経済』2014年8月2日書評掲載
*『沖縄タイムス』2014年9月6日書評掲載
*『北海道新聞』2014年9月14日書評掲載
●目次

はしがき

第一章 「領土の罠」をどう乗り越えるか
はじめに……岩下明裕
 国境・境界問題を考える学問と組織 /「領土ナショナリズム」、「領土の病」 
政治地理学から見た領土論の罠……山孝史
 国家の政治地理学から地政学へ /政治地理学、地政学の衰退から批判的再構築へ /領土・領域と「領域性」 /領土と主権 /合理主義の表れとしての領域性 /領域がもつイデオロギー上の問題点 /世界地図に現れる「領土の罠」 /「領土の罠」の三つの要素 /絶対主権と実効主権 /沖縄=日本最大の領土問題 /グローバリスト・アメリカの主権行使と沖縄 /領土問題をいかに脱構築するか 
竹島問題で海域が見えないことの罠……福原裕二
 日韓における竹島/独島への関心 /李承晩ラインとは /国交正常化交渉における竹島問題 /現地の漁業者の思い /「生の枠組み」と「第三の視角」 /竹島をめぐる漁業調査 /排他的経済水域設定のインパクト /竹島の価値と関連事業費 /日韓暫定水域と漁業の実態 /「面」や「立体」で捉える 
日本の国境地域の現実……本間浩昭
 「見えない壁」 /国境の陥穽 /狙われる周縁部 /いま、北方領土で何が /国境の「波動」 /バックキャストという手法 /境界=豊かな生態系 /隣のパラレルワールドとどうつきあうか /「世界平和公園」構想 /世界各地の経験に学ぶ 
思想から見た罠……土佐弘之
 領域的権力と脱領域的ネットワーク /ジオボディの形成 /均等的な空間観と植民地主義的分割 /ジオボディを乗り越える思想 

第二章 「領土問題」――ジャーナリズムの責任を問う
領土を論ずるスリルと怖さ……若宮啓文
 安倍政権の成立と竹島/独島問題 /領土問題をめぐる空気の変化 /冷戦からポスト冷戦へ /プーチンと会う /「引き分け」と「始め」 /竹島問題に一石を投じる /ジャーナリズムの役目とは 
座談会 領土問題と向き合う……若宮啓文・本田良一・本間浩昭 (司会 岩下明裕)
 北方領土に関するスクープ /メディアにおける中央と地方 /メディアの違いとリスクを嫌う風潮 /忘れられる過去 /「邪道」の魅力と「炎上」覚悟 /フロアからのコメント /北方領土問題の解決策 /日本外交の問題点 /尖閣の国有化 

第三章 歴史を時代に即して理解する……和田春樹 (聞き手 岩下明裕)
 安倍・プーチン首脳会談 /イルクーツク会談再評価の危うさ /コーズィレフ秘密提案の当事者の証言 /ペレストロイカ期ソ連のシミュレーション /日ソ平和条約交渉と訓令一六号 /千島(クリル)列島をめぐる認識のずれ /色丹認識の変遷 /アイヌ問題を考える /共同経営の方法と主権 /今後の日露関係 /明治期日本の国境画定作業と竹島 /植民地からの分離独立という文脈 /地域住民の立場 /尖閣=沖縄と台湾の問題 /連関する沖縄、奄美と千島 /戦後日本の国境意識と日米安保 

第四章 「領土ナショナリズム」と闘う……岡田 充 (聞き手 岩下明裕)
 「生活圏」のリアリティ /日台漁業取決めと馬英九「東シナ海平和イニシアチブ」 /日中台の三角形 /「核心的利益」の多義性 /漁民動員の可能性 /報道の変容と「領土ナショナリズム」 /ナショナリズムと被害者意識 /国境離島の苦悩と模索 /尖閣問題の今後 

第五章 「売国奴」からのメッセージ……天児 慧 (聞き手 岩下明裕)
 大国主義化する中国に物申す /大国主義の来歴を問う /マッチョな中国の内部矛盾 /反中国包囲網は可能か /現場主義で島を見る /「核心的利益」という言葉 /大国主義批判の作法 /「屈辱の近代史」認識 /経済成長と矛盾の増幅 /中国にとっての対外イメージ /日中関係の今後
あとがき  

執筆者紹介 
 
●著者紹介

岩下 明裕(イワシタ アキヒロ)
 所  属―北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授
 専門分野―ボーダースタディーズ(境界研究・国境学)

山 孝史(ヤマザキ タカシ)
 所  属―大阪市立大学大学院文学研究科・文学部教授
 専門分野―政治地理学、地政学、沖縄研究

福原 裕二(フクハラ ユウジ)
 所  属―島根県立大学大学院北東アジア開発研究科・総合政策学部准教授
 専門分野―国際関係史、朝鮮半島地域研究

本間 浩昭(ホンマ ヒロアキ)
 所  属―毎日新聞社北海道支社報道部根室記者

土佐 弘之(トサ ヒロユキ)
 所  属―神戸大学大学院国際協力研究科教授
 専門分野―政治思想、国際関係論

若宮 敬文(ワカミヤ ヨシブミ)
 所  属―日本国際交流センターシニア・フェロー、元朝日新聞主筆

本田 良一(ホンダ リョウイチ)
 所  属―北海道新聞社編集局報道センター編集委員

和田 春樹(ワダ ハルキ)
 所  属―東京大学名誉教授
 専門分野―ロシア・ソ連史、現代朝鮮研究

岡田 充(オカダ サトシ)
 所  属―共同通信社客員論説委員

天児 慧(アマコ サトシ)
 所  属―早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
 専門分野―現代中国論、東アジア国際関係論



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