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書籍詳細




20世紀ロシアの開発と環境 ― 「バイカル問題」の政治経済学的分析
徳永 昌弘著

判型: A5 上製
頁数: 428
ISBN: 978-4-8329-6774-8
Cコード: C3033
発行日:2013-03-18
定価: 6,600円 (本体価格6,000円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

公害・環境問題の見地から20世紀ロシアにおけるシベリア開発の実態を政治経済学的に考察した上で、「シベリアの真珠」バイカル湖の環境汚染をめぐる問題の変化と背景を検証。エコロジー近代化論の枠組みで、ソ連・ロシアの公害・環境問題の動態を理論的・実証的に解明。
●版元から

本書の課題は、公害・環境問題の見地から20世紀ロシアにおける社会主義近代化プロジェクトの実施過程とその帰結を政治経済学的な視角で分析することにある。特に、かつては「無主地」(terra nullius)と呼ばれたが、ソ連の計画経済機構の下で世界のエネルギー生産基地の一角を占めるにまで登りつめたシベリアに焦点を当て、社会主義工業化の名の下で進められた後背地の近代化プロジェクトの実像を明らかにする。
 第I部では、「現存したソ連社会主義」の公害・環境問題に関する先行研究の批判的検討を経て、その趨勢をエコロジー近代化論の枠組みで概観した後に、社会主義工業化の一環として大規模な近代化プロジェクトが実施されたシベリアに焦点を当て、その長期的な発展過程を開発と環境の両面から検証する。続いて、第II部では、シベリア南部のバイカル湖流域の環境汚染を取り上げる。その実態を確認しながら、最大の汚染源として設立当初から批判され、数十年にわたり操業の是非が論じられてきたバイカリスクセルロース・製紙コンビナートの動向を中心に検討する。
●目次

序 章


 第I部

第1章 公害・環境問題と経済体制――社会主義国ソ連の「公害」論争を振り返って
第2章 開発と環境――社会主義近代化プロジェクトの遺産と清算
第3章 環境ガバナンス――「閉ざされた」エコロジー近代化の道
第4章 社会主義工業化――ロシア後背地の変貌と実像


 第II部

第5章 戦後シベリアの地域経済開発――「バイカル問題」の背景
第6章 社会主義国ソ連の公害・環境問題――「バイカル問題」の登場
第7章 開発と環境のジレンマ――「バイカル問題」の深化
第8章 資本主義国ロシアの公害・環境問題――「バイカル問題」の転回
終 章――結論と展望

〈附録〉
巻頭地図
 1.地下資源開発に起因する地形崩壊の状況
 2.永久凍土融解の状況
 3.放射能汚染源の分布状況

参考文献
 1.エコロジー近代化論
 2.ソ連・ロシア近代化論(ソ連・ロシア経済に関する文献を含む)
 3.ソ連およびロシアの公害・環境問題(資源・エネルギー問題と都市問題に関する文献を含む)
 4.シベリア開発の現代史(アンガラ川流域開発に関する文献を含む)
 5.バイカル湖流域の開発と環境(バイカリスクセルロース・製紙コンビナートに関する文献を含む)

人名索引/事項索引


●著者紹介

徳永 昌弘(トクナガ マサヒロ)
関西大学商学部准教授。1999年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。経済学博士(京都大学,2002年)。主著に『グローバル金融危機と経済統合――欧州からの教訓』(共著)関西大学出版部,2012年,『国際比較の経済学――グローバル経済の構造と多様性』(監訳)NTT出版,2012年。Environment and Planning A,The Journal of Comparative Economic Studies,『環境管理』,『国民経済雑誌』,『スラヴ研究』,『比較経済体制研究』,『ロシア・東欧研究』,『ロシアNIS調査月報』等に論文を発表。

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