●目次
序 論 植民および民族政策史研究と「バシキール問題」
I 植民史研究および民族政策史研究の基本的問題点
II バシキール史研究の諸問題
III 史料について
IV 本編の構成について
第一章 モスクワ国家支配前夜のバシキーリア
I バシキーリアの地誌と社会
II ノガイ・オルダ、カザン・ハン国およびシビル・ハン国支配下のバシキーリア
第二章 「併合」の実態
I カザン・ハン国の崩壊
II モスクワ国家への「併合」過程
III 「併合」後の諸変化
第三章 一七―一八世紀初頭の諸蜂起
I 「併合」後のバシキーリア行政
II 一六六二―六四年の蜂起
III 一六八一―八四年の蜂起
IV 一七〇四―一一年の蜂起
第四章 オレンブルク建設とバシキール人
I オレンブルクの建設
II バシキール人の抵抗
III オレンブルクと諸民族
IV オレンブルクの社会と経済
第五章 南ウラルへの植民
I 南ウラルにおける植民過程
II 植民政策とバシキール人社会
第六章 南ウラルの「開発」
I 一八世紀バシキーリアの変貌
II 工場建設と植民
III 一七五五年の蜂起あるいはバトゥィルシャの叛乱
IV 新法典編纂委員会
第七章 プガチョーフ叛󠄂乱(上)
I 叛乱参加の背景
II バシキール人の叛乱参加過程
III バシキール人の行動
第八章 プガチョーフ叛󠄂乱(下)
I 一八世紀バシキール人社会とサラヴァト父子
II 叛乱軍におけるサラヴァト
第九章 バシキーリア行政の確立
I カントン行政システムとは何か
II カントン行政システム導入以前の状況――エカチェリーナ二世の地方行政改革
III カントン行政システムの導入と実施
IV カントン行政システムによる住民統制
V 軍事勤務
VI 新たな改革
第十章 帝政ロシアにおける植民・民族政策の基本型
I 伝統的な民族政策
II 新たな民族政策(上)
III 新たな民族政策(下)
IV 民衆の抵抗
結 論
おわりに
参考文献一覧
ロシア語要旨
事項索引
人名・地名索引
●著者紹介
豊川 浩一(トヨカワ コウイチ)
1956年 札幌生まれる。北海道大学文学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学文学部助手、静岡県立大学国際関係学部助教授、明治大学文学部助教授を経て、現在、同教授。
専攻 ロシア近代史
主要論著
Оренбург и оренбургское казачество во время восстания Пугачева 1773-1774 гг. М, 1996.(1773〜1774年のプガチョーフ叛乱期のオレンブルクとオレンブルク・カザーク)
А.С.Пушкин и П.И.Рычков. Историчесие источники пушкинской ≪Истории Пугачевского бунта≫ // Аста Slavica Iaponica. T. IX. 1991.(А.С.プーシキンとП.И.ルィチコーフ:プーシキン作『プガチョーフ叛乱』の歴史史料)
「18世紀ロシアにおける民衆運動とその世界――プガチョーフ叛乱における領主農民を中心にして――」、『社会科学討究』97号、1988年。
訳 書
R.E.F.スミス、D.クリスチャン(鈴木健夫、斎藤君子、田辺三千広との共訳)『パンと塩――ロシア食生活の社会経済史』、平凡社、1999年。