●目次
まえがき
序 章 地域経済圏の設定――課題と方法論
1 課題の設定
2 フィリピン研究にみる地域的歴史世界
1.19世紀初頭〜フィリピン革命およびフィリピン・アメリカ戦争
2.アメリカ統治期
3 各論と研究動向
第1部 人口と就業編成
第1章 マニラ地域経済圏における労働力移動――19世紀初頭から20世紀前半まで
1 19世紀の中部ルソンにおける労働力移動
1.生態環境
2.人口増加と耕作化
2 19世紀のマニラにおける労働力移動
1.マニラの社会経済空間
2.中部ルソンからの人口移動とマニラの労働力構成
3 アメリカ統治下の向都移動
まとめ
第2章 アメリカ統治と民族別就業――中国人移民政策からみる
1 フィリピンにおける中国人移民制限
1.政策のフレームワーク
2.現地社会との軋轢
2 植民地統治と現地労働力
1.第二次フィリピン統治委員会の要求
2.マニラの中国人
まとめ
第2部 労働
第3章 20世紀前半のマニラ地域経済圏における都市型雇用労働――構造不況下の葉巻製造工
1 マニラにおける葉巻製造業
2 製造工程と職階の編成
1.工程と熟練
2.職階編成
3 構造不況下の製造職工
1.賃金と生活
2.職場と職工の淘汰
まとめ
第4章 20世紀前半のマニラ地域経済圏における農業労働――刈分け小作農による米生産
1 中部ルソン平野・南部タガログ地方の地域構成
1.歴史的概観
2.土地所有の性格
2 刈分け小作農による経済活動の地域性
1.小作経営の具体的様相
2.小作経営と農外就業
3 農業労働者層の台頭
まとめ
第3部 商品流通
第5章 マニラ地域経済圏における商品流通の展開
――19世紀初頭から20世紀前半における米穀取引を中心に
1 19世紀の中部ルソンにおける市場圏
1.地方市場圏
2.首都市場圏
2 ヌエバエシハ州の農業開発――19世紀末から1910年代まで
1.20世紀初頭までの商品流通
2.アメリカ統治下の土地所有
3 20世紀前半のヌエバエシハ州における米の流通構造
まとめ
第6章 両大戦間期の米穀流通――中国人商人の支配と米穀危機
1 米の市場取引の展開
2 1919年米穀危機における諸階層の動向
3 1935年の米穀危機と流通政策
1.1935年米穀危機とその背景
2.米穀公社と中国人商人
まとめ
終 章 近代におけるマニラ地域経済圏の変容
1.2つの視点からみた地域社会
2.都市,農村双方における社会的結びつき
3.マニラ地域経済圏の時期区分
参考文献
あとがき
索 引
●著者紹介
千葉 芳広(チバ ヨシヒロ)
1967年 宮城県に生まれる。1992年 北海道大学経済学部経済学科卒業。1995年 北海道大学大学院経済学研究科経済学専攻修士課程修了。1999年 北海道大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了。北海道大学経済学部助手、札幌医科大学医学部非常勤講師等を経て、現 在 北海道医療大学大学教育開発センター専任講師。博士(経済学)