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書籍詳細



札幌学院大学選書
子どもの熟慮性の発達 ― そのメカニズムと学校文化の影響
臼井 博著

判型: A5 上製
ISBN: 978-4-8329-6766-3
Cコード: C3011
発行日:2012-04-18
定価: 6,600円 (本体価格6,000円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

幼児期後半から学童期、思春期にいたる子どもの顕著な認知スタイルとして知られる熟慮性・衝動性に焦点を当て、その発達、柔軟性、学校の影響について認知的社会化の文脈からアプローチを試みる。自己制御や教育可能性とも関連があり、発達と教育双方の重要領域の研究。
●版元から

1960年代の半ばに発達心理学者のKagan,J.が案出した認知スタイル(cogntive style)の一つである熟慮性・衝動性(Reflection-Impulsivity)に焦点を当て、その発達について認知的社会化の文脈からのアプローチを試みたものである。認知スタイルとは、認知的な課題解決のプロセスのすべてにわたり、個人を特徴づける情報処理様式の個人差であり、課題のどのような側面に注意を向けやすいか、どのような認知的な方略を使うことを好むか、などの個人差である。知能などの認知能力では個人差を検査得点の高低により一次元的に考えやすいのに対して、認知スタイルは、能力の多寡ではなくてその能力の使い方に関する多次元的な個人差であり、知能とは相対的に独立であるが、相互に影響しうるものである。本論文では、幼児期の後半から、学童期、さらには思春期にいたる子どもの顕著な認知スタイルとして知られる熟慮性・衝動性を扱う。これは、自己制御の発達や教育可能性とも関連性があり、発達と教育の双方にとっても重要な研究領域となっている。また広範囲な比較文化的なデータもあり、そこでは日本の子どもの発達における特異性も示されている。本書では、―藁言・衝動性の発達の様相、⊇藁言・衝動性と認知発達の関係、熟慮性・衝動性の柔軟性、そ藁言・衝動性の発達に対する動機付け・認知的な社会化の影響、について明らかにする。


本書では、幼児期後半から学童期、思春期にいたる子どもの顕著な認知スタイルとして知られる熟慮性・衝動性に焦点を当て、その発達について認知的社会化の文脈からアプローチを試みる。熟慮性・衝動性は自己制御や教育可能性とも関連があり、発達と教育双方にとって重要な研究領域となっている。また日本の子どもの発達における特異性も示されている。本書では、―藁言・衝動性の発達の様相、⊇藁言・衝動性と認知発達の関係、熟慮性・衝動性の_軟性、そ藁言・衝動性の発達に対する動機付け・認知的な社会化の影響、について明らかにする。
●目次

第1章 認知スタイルの研究の社会的意義
――子どもの個性理解への新たなアプローチ
第1節 子どもの個性理解への新たなアプローチ 
第2節 熟慮性・衝動性研究の意義  
第3節 本書の課題 

第2章 幼児期から学童期の熟慮性の発達
第1節 はじめに  
第2節 児童の熟慮性・衝動性の安定性と変化および学業成績との関連(研究1)  
第3節 幼児期から小学校低学年の熟慮性の発達(研究2)  
第4節 熟慮性と認知的コンピテンスとの関連性:縦断的および因果的分析(研究3)  

第3章 熟慮性・衝動性の発現メカニズムと自己制御・適応的柔軟性
第1節 はじめに  
第2節 MFFテスト(Matching Familiar Figures Test)の提示時間の遂行に対する影響(研究4)  
第3節 熟慮型と衝動型のMFFテストにおける遂行の評価とメタ認知(研究5)  
第4節 反応時間の制御による熟慮性・衝動性の柔軟性(研究6)  

第4章 動機づけと文化の影響
――学校文化の中の熟慮性・衝動性
第1節 はじめに  
第2節 熟慮型と衝動型の課題遂行における隠れた目標志向性(研究7)  
第3節 仮想的な熟慮型と衝動型のモデルの知的課題の取り組みの評価と帰属(研究8)  
第4節 連続的な成功・失敗経験の課題遂行に及ぼす影響(研究9)  
第5節 小学生の熟慮型モデルと衝動型モデルの行動評価(研究10)  
第6節 熟慮型モデルと衝動型モデルの行動評価:大学生と小学生の比較(研究11)  

第5章 結論と今後の課題
第1節 本書の概要  
第2節 本書の結論と意義  
第3節 今後の課題と展望  
第4節 熟慮性・衝動性研究の最近の動向  

引用文献  
(資料1)MFFテストの標準的な教示  
(資料2)研究3で使用した小学校教師の行動評定尺度  
(資料3)研究3で使用した幼稚園教師の行動評定尺度  
(資料4)研究11で使用した質問紙  

あとがき  
事項索引  
人名索引  

●著者紹介

臼井 博(ウスイ ヒロシ)
1948年 北海道に生まれる
1971年 北海道教育大学札幌分校卒業
1975年 城戸奨励賞受賞(日本教育心理学会)
1976年 北海道大学大学院教育学研究科博士課程中退
現 在 札幌学院大学人文学部教授。博士(心理学)
専 攻 発達心理学・教育心理学
主な著書
『アメリカの学校文化 日本の学校文化』(金子書房,2001年)
『乳幼児の心理学』(共著)(有斐閣,1991年)
『子どもの人格発達』(共訳:J.ケイガン著)(川島書店,1979年)
『乳幼児の人格形成と母子関係』(分担執筆:三宅和夫編)(東京大学出版会,1991年)
『発達心理学ハンドブック』(分担執筆:東 洋編)(福村出版,1992年)
『発達心理学特論』(分担執筆:内田伸子・氏家達夫編)(放送大学教育振興会,2007年)



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