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書籍詳細




大学入試の終焉 ― 高大接続テストによる再生
佐々木 隆生著

判型: 四六 並製
頁数: 280
ISBN: 978-4-8329-3379-8
Cコード: C1037
発行日:2012-02-25
定価: 1,980円 (本体価格1,800円+税)

在庫あり
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●本書の特徴

「大学全入」による大学入試の選抜機能の低下、高校の国民教育化に伴う必履修科目の縮減によって、機能不全に陥っている日本の高校・大学間接続にいかに対処するべきか。高校段階での客観的学力を把握する達成度テストの必要性を提起し、そのあるべき姿を提示する。
●版元から

我が国の教育上の高大接続は、個別大学の入試が担う選抜機能に依存するものであるが、少子化に伴う「大学全入」は大学入試の選抜機能を低下させた。また、高校学習指導要領の改訂による必履修科目の縮減により、大学での学習の基礎となるべき教科・科目を高校生が履修せずに大学に入学するという事態が生じている。本書はこのような事態を改革しようとする高大関係者のボトムアップの問題提起と議論から開始された文部科学省委託事業の調査研究報告をもとにしている。高大接続を可能とする普通教育を再構築し、知識基盤社会を支えるには、高大の教育上の接続を保証するための高校段階での客観的な学力把握のしくみ=「高大接続テスト」(仮称)を検討する必要があることを提起し、そのあるべき姿を提示する。

*『教育学術新聞』2012年2月15日書評掲載
*『内外教育』2012年2月24日書評掲載
*『日本教育新聞』2012年3月12日書評掲載
*『北海道新聞』2012年4月8日書評掲載
*『月刊高校教育』2012年6月書評掲載
*『IDE現代の高等教育』2012年11月1日書評掲載
●目次

はじめに  
    揺れた二〇一〇―一一年度入試 
    高大接続とは?  
    ボトムアップでの高大接続テスト検討のはじまり  
    高大接続テストへの案内  

第吃堯々眤臉楝灰謄好箸鮓‘い垢
第1章 高大接続に何が起きているのか  
    高大接続の構成要素と機能不全  
  一 大学入試の選抜機能の低下  
    非学力選抜の増加――選抜は学力入試を意味しない  
    外形基準なしのAO・推薦入試の問題点  
    「大学全入時代」――「ユニヴァーサル段階」での大学入試の選抜力低下  
    少数科目入試の拡大  
  二 基礎的教科・科目の履修――教育上の高大接続に生まれた障害  
    入試だけが問題ではない  
    「普通教育の完成」をめざした学習指導要領  
    「普通教育の完成」の終焉  
    教育課程弾力化が高大接続にもたらした結果――学力把握の入試への依存  
  三 日本型の高大接続機能を回復させるのは可能か  
    大学入試の選抜機能回復は可能か  
    高校での教育課程を元に戻すのは可能か  

第2章 日本型高大接続の転換のために――何が問題なのか  
  一 高校と大学の接続という課題  
  二 教育上の高大接続のための学力把握の必要性  
    高大接続の二つの側面――教育上の接続と選抜  
    入試に依存した学力把握は適切か  
    共通の学力把握――教育上の高大接続の仕組みの必要性  
  三 日本型大学入試の転換の必要性  
    日本型大学入試の特殊性としての個別の学力入試  
    学力入試の成績に依存する選抜  
    学力試験の有効性  
    得点序列による選抜の有効性  
    あまりに多い大学入試の出題教科・科目のパターン  
    共通の学力把握を基礎にする大学入試改革の必要性  
  四 普通教育の再構築と高大接続  
    「第三の教育改革」と高大接続  
    日本型高大接続の変容  
    普通教育と個性重視の教育は対立するか  
    どのようにして普通教育に基づく高大接続を実現するのか  
  五 初年次教育・リメディアル教育の構築に向けて  

第3章 高大接続テストの基本構造  
  一 高大接続テストの前提  
  二 高大接続テストの基本的性格――基礎的教科・科目の学習の達成度評価  
    々眤臉楝海里燭瓩隆霑壇教科・科目についてのテスト  
    達成度を測るテスト  
    4霑壇教科・科目の標準的問題の出題  
    な数回の実施  
  三 目的と基本性格を満たすテストの探求  
    これまでの試験・テスト、その限界  
    新しいテスト――「項目応答理論」に基づくテスト  
    新たなテストの構築を  
  四 大学入試センター試験と高大接続テスト  
    センター試験の果たしてきた役割  
    センター試験に課せられた制約 宗十乎捗犁鬚料抜資料提供から生まれる限
    センター試験に課せられた制約◆宗集電掬テスト理論に基づくテスト  
    センター試験に課せられた制約――ア・ラ・カルト方式の問題  
    センター試験がもつ可能性  

第4章 高大接続テストの具体化のための課題  
  一 適切なテストの設計・構築  
   1 教科・科目の範囲  
    基礎的教科・科目の範囲は自明ではない――どの科目の達成度を測るのか 
    テストの教科・科目と高校学習指導要領との関係  
   2 テストの実施時期と回数  
   3 適切な達成度テストの開発とテストが測れる学力の範囲の検討  
    テストの射程を広げる開発の必要性  
    論文式試験の限界  
    テストの目的と性格が大切
     ――一つのテストですべての学力を把握できるわけではない  
   4 成績評価の方法――適切なスコアでの評価の確立  
    素点幻想からの脱却  
    高大接続に必要な評価尺度を求めて  
   5 問題プールあるいは項目(アイテム)バンクの構築  
   6 実地研究  
  二 テストの構築・導入のための組織的検討  
   1 まず高校・大学関係者の自主的な検討を  
    「合成の誤謬」を避けて集合的な改革を――沃野でないと大樹も育たない 
    検討するべき課題  
    構築・導入までの期間について  
   2 国・文部科学省は高大関係者の努力の支援を  

第5章 高大接続テストと教育・入試改革  
    テストですべてが解決するわけではない  
  一 教育面での高大接続のための改革の諸領域  
    高校教育と大学教育の「裂け目」を埋める教育改革を  
    学習指導要領のあり方の検討  
    高大連携の深化  
    知の世界の喜びをもたらす教育の必要性  
  二 大学入学者選抜制度の改革  
    「落第試験」からの脱却を  
    学年暦の検討の必要性  
    「定員」管理のあり方の検討  

高大接続テストの要点  

第局堯‘本型の大学入学者選抜をめぐって
第1章 大学入試批判と入学者選抜制度改革  
  一 日本型高大接続と大学の学力入試  
    「落第試験」と「偏差値信仰」  
    ただ一回の学力試験の成績のみによる合否決定の限界  
    入試が規定する高校教育  
  二 一九六三(昭和三八)年中教審答申と能研テスト  
    総合判定主義実現の困難  
    学力試験による選抜がもつ問題  
    「共通的、客観的テスト」――「能研テスト」の導入  
    能研テスト挫折の原因  
  三 「四六答申」と共通第一次学力試験  
    高校調査書利用のための共通テストの構想  
    共通第一次学力試験への転換  
  四 一つの転換――「第三の教育改革」と高校教育・入学者選抜制度の変容  
    臨教審第一次答申と国立大学の入試改革  
    「第三の教育改革」の中での高大接続
     ――総合判定主義の修正と入試の簡易化・容易化  
    改革を振り返って  
  五 大学入試批判をかえりみて  

第2章 日本型高大接続の構造的基盤  
  一 大学の収容力の慢性的不足  
    端緒――明治期の接続問題  
    戦後の高等教育機会の慢性的不足  
  二 ナショナル・カリキュラムと卒業資格制度導入の困難  
  三 序列化と大学の単独選抜志向  
    明治「学制」と高大接続  
    高等学校令後の高大接続――共通試験と単独試験  
    戦後の鬼校・挟校制入試と序列化問題  
    共通一次後の序列化問題  
    現行の「分離分割方式」とその後  
    共通テストと「序列化」  
    「序列化」はテストが生んだものではない  
    大学自治と単独選抜  

結論にかえて――大学入試と高大接続の今後を担う主体形成のために  
    ボトムアップで始まった高大接続テストの検討  
    中教審での検討――一つの屈折と対立  
    協議・研究の構成と方向  
    国大協と入試改革  
    日本型高大接続の転換は従来の入試改革とは異なる  
    協議・研究の意味  
    知識基盤社会と日本型高大接続の転換  

 参考文献  
 あとがき  
●著者紹介

佐々木 隆生(ササキ タカオ)
1945年岩手県生まれ。
1969年東北学院大学経済学部卒業、1975年 東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東北大学経済学部(1975〜77年)、北海道大学経済学部・経済学研究科(1977〜2005年)、北海道大学公共政策大学院(2005〜2011年)勤務を経て、現在、北星学園大学経済学部教授。博士(経済学)。大学入試改革や高大接続問題に、国立大学協会第2常置委員会、入試委員会等の専門委員並びに文部科学省入試改善協議の委員(2003〜2011年)として従事。「高大接続テストの協議・研究」(2008〜2010年)の研究代表。
主要著書 『国際資本移動の政治経済学』(藤原書店、1994年)
     『国際公共財の政治経済学―危機・構造変化・国際協力』(岩波書店、2010年)
     『構造変化と世界経済』(共編、藤原書店、1993年)
     『ヨーロッパ統合の脱神話化―ポスト・マーストリヒトの政治経済学』(共編著、ミネルヴァ書房、1994年)
     『構造変化の経済動学』(監訳、L. L. パシネッティ著、日本経済評論社、1998年)



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