●目次
はじめに
第1編 地域思想としてのコモンズ試論………小磯修二
第1章 なぜコモンズか──新たな地域の発展パラダイムに向けて
第2章 共生からコモンズへ
第3章 コモンズの胎動──実践,伝統からの学び
第2編 コモンズの地域展開………草苅 健
第1章 苫東環境コモンズの誕生
第2章 苫東環境コモンズの展開の実際
第3章 苫東環境コモンズの現地からの発想
第4章 コモンズと風土に関する試論──結びに代えて
第3編 地域づくりとコモンズの息吹………関口麻奈美
第1章 潜在資源を内外の力で発現──コモンズで森林価値を高める岡山県西粟倉村
第2章 多彩な地域の資源を共有化し,生き残る地域づくり──北海道浜中町
第3章 現代に残る日本型コモンズ──長野県野沢温泉の共有財産を守る仕組みから
第4編 コモンズの旅
第1章 英国のコモンズとフットパスを訪ねて
──「歩く権利」と「オープンスペース」を獲得した庶民の歴史………草苅 健
第2章 フィンランド紀行──暮らしに根づく「万人権」の国を訪ねて………関口麻奈美
第5編 座談会 新しい時代の「コモンズ」に向けて──まとめに代えて
………………小磯修二,草苅 健,関口麻奈美
参考文献
お世話になった方々
●著者紹介
小磯 修二(コイソ シュウジ)
1948年大阪市生まれ。72年京都大学法学部卒業後,北海道開発庁・国土庁(現国土交通省)で,計画官,企画調整官など,企画・計画部門を歴任した後,99年に釧路公立大学教授,初代の地域経済研究センター長に就任。2008年から釧路公立大学学長。12年5月より北洋銀行非常勤顧問。同年9月より北海道大学公共政策大学院特任教授,現在に至る。
草苅 健(クサカリ タケシ)
1951年山形市生まれ。75年北海道大学農学部卒。76年,苫小牧東部開発株式会社に入社し,インダストリアルパークを目指した苫東工業基地の緑地づくりと緑地保全管理,景観形成,広報に従事。98年,同社の経営破綻に伴い退社し,財団法人北海道開発協会に入社。はまなす財団への出向を経て10年7月より北海道開発協会開発調査総合研究所所長代理。ホームページで「雑木林&庭づくり研究室」(http://homepage3.nifty.com/hayashi-kokoro/)を主宰し,この活動を核にして,苫東勇払原野の保全と利活用を担う苫東環境コモンズを設立し,10年1月,NPO法人認証。技術士(環境部門),一級造園施工管理技士。NPO法人苫東環境コモンズ事務局長。著書に,『林とこころ』(北海道林業改良普及協会,2004年),『生活見なおし型観光とブランド形成』(分担執筆,小林好宏・佐藤郁夫編著,北海道開発協会,2007年),『これからの選択 ソーシャル・キャピタル』(分担執筆,小林好宏・梶井祥子編著,北海道開発協会,2011年)。
関口 麻奈美(セキグチ マナミ)
北海道苫前町生まれ。天使女子短期大学卒業後,編集プロダクション会社勤務を経て,1999年に独立。マーケティング調査,編集・企画業務に携わりながら,地域研究活動に従事。釧路公立大学地域経済研究センター客員研究員として,商店街活性化,観光経済効果,食の安全・安心調査などの研究プロジェクトに参加するほか,99年から発刊されている地域経済レポート『マルシェノルド』(一般財団法人北海道開発協会発行『開発こうほう』特集号)の編集,取材に創刊時から携わる。公職は,北海道一村一炭素おとし事業(現一村一エネ事業)審査委員会委員,滝川市余暇活動検討委員会委員など。